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政府は7月1日、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」という閣議決定を行いました。

様々な報道がなされておりますが、平和の党である公明党51人の衆参国会議員が一致団結し「憲法の平和主義を守り」そして「武力行使の拡大に明確な歯止めをかける」ことができました。また、解釈によって憲法の柱を変えてしまう解釈改憲にあたる「全面的な集団的自衛権の行使容認を阻止」し、専守防衛を守り抜きました。

「閣議決定で集団的自衛権を容認」との報道がありますが、一般的に理解されている「外国の防衛それ自体を目的とする、いわゆる集団的自衛権」は今後も認められません。したがって、戦闘目的で海外派兵することはありません!

一方、今回の閣議決定では、「自衛隊と共に日本の防衛活動を行っている外国軍」への武力攻撃により、「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白は危険がある」と客観的・合理的に判断されたならば、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない場合に限って自衛権を行使できる(反撃できる)、と定めています。すなわち、自国防衛のための他国防衛を、従来の個別的自衛権に匹敵するものととらえ、極めて限定的に容認することとしました。

また、「これ以上の武力行使を認めようとするならば憲法改正しかない」と確認し憲法上許される武力行使の範囲の限界が初めて明確になったことは意義深いと考えます。

われわれ公明党は、集団的自衛権を全面的に解禁しようとしていた政府に対し、明確な歯止めを二重、三重にかけさせる結果となりました。これは「公明党が連立与党にいればこその成果」であり、これからも一致団結して平和のために戦い抜くことをお誓い申し上げます。

これから九州・沖縄をはじめ全国各地にお邪魔して説明の機会を持たせて頂き、皆様の不安を取りのぞき、平和の旗を高く掲げて参ります!!

 

以下に、詳細を掲載しますが、長文となりますのでお時間のある方はご一読下さい。

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今回の閣議決定に対しては、「集団的自衛権を容認!」「日本が戦争に参加する国へ!」という不安を招く見出しのもと、加熱報道がなされておりますが、14回にわたる党内協議を経て、公明党が明確に歯止めをかけ、憲法の規範性を確保し、かつ従来の政府の憲法解釈との論理的整合性を保った内容に収束させたものです。したがって、解釈改憲との批判は全くあたりません。以下、主要な論点を記します。

なお、是非閣議決定全文を一度お読み頂き、報道とのギャップを感じて頂きたいと思いますが、私なりに閣議決定文言を末尾に要約しました。

1. 外国の防衛それ自体を目的とした「いわゆる集団的自衛権」は今後も行使しない:

●「いわゆる集団的自衛権」とは、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利」のことであり、「他国防衛のため武力を行使する権利」と理解されています。

●「いわゆる集団的自衛権」は国際法上、国家に認められた権利ではありますが、我が国では憲法9条との関係から、「他国防衛のため武力を行使する権利」は使えない、従って「いわゆる集団的自衛権」は行使できないとの立場を貫いており、今後もこの立場は変わりません。なお、安倍総理も記者会見で「外国の防衛自体を目的とする武力の行使は今後とも行わない」と明言しています。

2. 今回の閣議決定は、憲法下で認められる「自衛のための武力行使の限界」である:

●今回の閣議決定において、従来の政府の憲法解釈の基本となる昭和47年見解(下記・参考1)の基本的論理を維持しつつ、武力行使が認められる自国防衛のための新三要件を以下のように定めました(下記・参考2)。

●従来の三要件(下記・参考3)では、我が国への急迫不正の侵害(=武力攻撃)があった場合に限られていましたが、我が国を取り巻く安全保障環境の情勢が厳しさを増す中、他国への武力攻撃が発生した場合にも、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」と客観的・合理的に判断される場合がありうると判断し、「我が国と密接な関係にある他国(=日本防衛のために、現に活動している他国)」に対して武力行使が行われた場合には、自国防衛を目的とした他国防衛を可能としました。

●「自国防衛のための他国防衛」は、新三要件全てに該当しなければ我が国は武力行使できない、つまり自国防衛に限定した武力行使であり、憲法第9条の規範を守り、専守防衛を貫くことに変更はありません。

●なお、今回の閣議決定において「自国防衛のための他国防衛」の解釈に関して、以下文言が記されています:
「我が国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、我が国を防衛するためにやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものである。

●今回の憲法解釈が憲法第9条の下で許容される自衛のための武力行使の限界を示したこととなり、これ以上の武力行使を認めようとするならば憲法改正しかない、ということが明確に確認され、憲法上許される武力行使の範囲の限界が初めて明確化されました。

【参考1:自衛権に関する政府見解(昭和47年見解)】
(国の)存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じているとは到底解されない。一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認される。

【参考2:新三要件】
憲法第9条の下において認められる「武力の行使」については、

①我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

という三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」に限られると解する。

【参考3:従来の自衛権発動の三要件 (昭和60年9月27日政府答弁書) 】
①我が国に対する急迫不正の侵害があること
②これを排除する為に他の適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

3. 閣議決定文要約:

①前文:
●戦後の平和国家としての歩みは国際社会において高い評価を得ており、より確固たるものにしていく。
●一方で、国際社会の環境は大きく変化し我が国を取り巻く安全保障環境は複雑かつ重大な課題に直面しており、もはや一国のみで平和を守ることはできない。
●政府は、外交で脅威の出現を未然に防ぐとともに、紛争の平和的解決を図らなければならない。
●日米安全保障体制の実効性を高め、抑止力を強化することで武力紛争を未然に回避することが不可欠。そのうえで、国際社会の平和と安定に積極的に貢献するために、切れ目のない対応を可能とする国内法整備を行う。

②武力攻撃に至らない侵害への対応:
●例えば離島の周辺地域等で、外部からの侵害が発生する場合、警察機関と自衛隊を含む関係機関が、より緊密に協力し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保する体制を整備する(命令や手続きの迅速化)。
●自衛隊と連携して日本の防衛の為に活動中の米軍部隊に対する攻撃が発生した場合、自衛隊が米軍の武器等を防護することができるよう法整備を行う(いわゆる米軍の武器等防護)。

③国際社会の平和と安定への一層の貢献:
●我が国の安全確保や、国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して、補給や輸送等、必要な支援活動を実施できるようにする為の法整備を行う(いわゆる後方支援)。但し、他国軍隊の武力行使との一体化を防ぐため、現に戦闘行為を行っている現場では支援活動は行わない。
●我が国が国連平和維持活動(PKO)に参加中の自衛隊部隊が、武装集団に襲われた民間人の保護(いわゆる駆けつけ警護)や、その国の同意を得た場合、武器使用を伴う邦人救出等の警察的な活動を行えるよう法整備を行う。

④憲法9条の下で許容される自衛の措置:
●我が国としては、紛争が発生した場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて、整備されてきた既存の国内法令による対応や、当該憲法解釈の枠内で可能な法整備などあらゆる必要な対策をとることは当然であるが、それでもなお、我が国の存立を全うし、国民を守るためには万全を期す必要がある。
●我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係がある他国に対して武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるような明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の武力を行使することは、従来の政府見解に基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った(いわゆる新三要件)。
我が国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合がある。これは我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものである。

⑤今後の国内法整備の進め方:
●上記基本方針のもと、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする国内法案の作成作業を開始し、十分な検討を行い国会で審議する。

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